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甲南大学・理工学部/ 統合ニューロバイオロジー研究所 久原篤 平成26年7月22日

Light and pheromone-sensing neuron regulates cold habituation through insulin signaling in C. elegans
- 線虫C.エレガンスにおいて光とフェロモンを感知する神経がインスリンを介して低温適応を制御する-

〇◎太田茜、〇宇治澤知代、園田悟、◎久原篤
(〇:筆頭著者名, ◎:代表著者名)

Nature commun, 2014, doi: 10.1038/ncomms5412

 温度は地球上で絶対に無くすことができない、生命にとって重要な環境情報です。そのため、生体の温度適応の仕組みを明らかにすることは、温度が関わる疾患の原因解明や、地球温暖化による生命の存続など多くの分野において望まれております。 本研究では、1000個ほどの細胞から作られている線虫C.エレガンスを利用して、温度適応の遺伝子解析を行いました。その結果、これまでは光やフェロモンを感じると知られていた神経が温度を感知することが分かりました。さらにこの神経がインスリンを分泌し、腸などで受け取られることで、体全体の温度適応を調節していることが分かりました。本結果から、温度の受容と記憶のシンプルな実験系を確立することができました。 人間と線虫では生体情報処理の仕組みの多くが類似していることから、この発見は、人間の温度適応の仕組みや温度関連疾患の原因などの解明に役立つものと期待されます。

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図1 線虫の温度に対する適応(低温適応)

線虫C.エレガンスは、20℃で飼育された後に2℃に置かれると死滅するが、15℃で飼育された後に2℃に置かれると生存できる。

 


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図2 温度適応の生体ネットワークの新しい発見

線虫の低温適応に関して、光やフェロモンを感知することが知られていた感覚神経細胞が温度を感じ、それに応じてインスリンが分泌され、腸などで受容されることで制御されるという、新たなシステムが見つかった。

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