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東北大学・生命科学研究科 細川貴之 平成28年3月9日発表

Representation of Functional Category in the Monkey Prefrontal Cortex and Its Rule-Dependent Use for Behavioral Selection

  • ◯◎Tsutsui K, ◯Hosokawa T, Yamada M, and Iijima T
    (◯:筆頭著者名, ◎:代表著者名)

Journal of Neuroscience 36: 3038-3048, 2016

私たちは身のまわりの環境にあふれる膨大な情報を、どのように整理して認識し、判断や行動のために使っているのでしょうか?サルを使った動物実験で、カテゴリー化によって情報を整理して判断することに関係する神経活動が、高次脳機能の中枢として知られている前頭連合野で見つかりました。本研究では、ニホンザルに、呈示された視覚刺激からその後にどのような飲み物が与えられるかを予測する課題を訓練したうえで、前頭連合野から神経活動を記 録しました。その結果、前頭連合野の一部の神経細胞が、概念の一種であるカテゴリーや、それを使って予測した結果の情報を保持していることを見出しまし た。この発見により、脳がその基本戦略として、膨大な情報をカテゴリー化によって整理し、物事の関係性を分かりやすくしたうえで、思考や判断に使っている ということが明らかになりました。 

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図1 実験装置とサルに行わせた課題の概要

A:サルは、数秒後に、口元のチューブから、ジュースがでてくるのか、食塩水がでてくるのかを、スクリーンに呈示された図形のカテゴリーを基に予測する。一定期間の訓練の後、サルは、ジュースを予測すると、それが口元のチューブから出てきたときに取りこぼしなく飲めるようにチューブを舐めながら待ち、食塩水を予測すると、それを飲まないで済むように口を閉じて待つようになった。

B:ルールXのもとでは、カテゴリーAの図形はジュース、カテゴリーBの図形は食塩水に先立って呈示され、ルールYのもとでは、カテゴリーAの図形は食塩水、カテゴリーBの図形はジュースに先立って呈示される。予告なしに、ルールは時折切り替わる。

 


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図2 記録された神経活動の代表例

A:いずれのルールのもとでも、カテゴリーAの図形が呈示されたときに活動が上昇する神経細胞の一例。このような活動を示す神経細胞は、カテゴリーの情報を保持しているといえる。

B:ルールXのもとではカテゴリーAの図形、ルールYのもとではカテゴリーBの図形が呈示されたときに活動が上昇する神経細胞の一例。常に特定の結果(ジュース)が予想される条件で活動が上昇していることから、このような活動を示す神経細胞は、予測の結果の情報を保持しているといえる。
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