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順天堂大学・医学研究科 竹田真己 平成28年10月19日発表

Laminar module cascade from layer 5 to 6 implementing cue-to-target conversion for object memory retrieval in the primate temporal cortex.

  • 〇Kenji W. Koyano, ◎Masaki Takeda, Teppei Matsui, Toshiyuki Hirabayashi, Yohei Ohashi, ◎Yasushi Miyashita
    (◯:筆頭著者名, ◎:代表著者名)

Neuron, 92, 518-529, 2016

大脳皮質は6つの皮質層により構成され,それぞれの層は機能を分担しながら局所神経回路により結合し情報を処理すると考えられています。しかし、従来は方法論的な限界があったため、特に脳深部において各皮質層ごとにどのような情報処理が行われているのかはほとんど分かっていませんでした。本研究では、高磁場MRI法を用いることにより、神経活動を記録したニューロンが位置する皮質層を同定する手法を開発し,記憶想起課題を遂行しているサルの側頭葉において適用しました。その結果,手がかりとなる刺激から想起の対象への変換は大脳皮質の深層において起こることが分かりました。想起の対象への変換は皮質5層において始まり、それに続いて6層において観察されました。5層に存在するニューロンが手がかりとなる刺激と想起の対象との間の連合記憶を符号化する一方、6層のニューロンは想起された情報を出力しており、5層から6層へと情報が受けわたされる過程で、想起の対象へと表象が変換される情報処理の機構が示されました。


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図1 実験の方法

A. 本研究で使用した記憶想起課題。手がかりとなる図形をもとにペアとなる図形を想起し、遅延期間後に選択すると報酬が得られます。B. 高解像度MRIと組織切片法を組み合わせた記録皮質層同定法。


図2 記憶想起課題を遂行する際の、36野における情報処理過程のモデル

サルが記憶を想起している間に、36野では第5層から第6層において記憶の手がかりとなる情報が想起の対象へと変換されることを示しています。

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