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東京大学・分子細胞生物学研究所 多羽田哲也 平成30年2月27日発表

Two parallel pathways assign opposing odor valences during Drosophila memory formation

  • ◯Yamazaki, D., Hiroi, M., Abe, T., Shimizu, K., Minami-Ohtsubo, M., Maeyama, Y., Horiuchi, J. and ◎Tabata, T.
    (◯:筆頭著者名, ◎:代表著者名)

Cell Reports 22 (9), 2346-2358.

ショウジョウバエの匂い記憶実験系では相反する2種の記憶、(1)匂いと報酬刺激(ショ糖)との連合による報酬記憶及び(2)匂いと罰刺激(電気ショック)との連合による罰記憶を扱うことがでます。この時、3次嗅覚神経KCsはこの連合学習において同時検出機として働くと考えられていますが、どのように匂い情報と非条件刺激をコードしているか不明です。私たちはKCsγサブグループをCRE配列に依存した転写制御を元にして2つのグループ、γCRE-p と γCRE-nに分け、それぞれがvalenceをコードしていることを見出しました。γCRE-pからの出力は罰記憶の獲得、固定及び読み出しの全てのステージに必要であり、一方、報酬記憶には阻害的に働きます。γCRE-nはγCRE-pとは逆に機能します。実際、光遺伝学実験によりこの2者は互いに抑制し合っていることを示しました。またMBONsとして知られる一群の出力神経群の中のMBON-γ5β'2a/β'2mpとMBON-γ2α'1がそれぞれγCRE-p と γCRE-nの下流で働いており、このMBON間のバランスによりValenceがコードされていることが示唆されました。ただ、上記の神経群は他のKCsやMBONsおよびドーパミン神経群による神経ネットワークの一部として機能しており(図1)、全貌の解明にはまだしばらくの時間が必要であると思われます。




図1

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